疲労回復にはクエン酸!疲れを取る食事や習慣について
毎日のように仕事や家事、育児に追われていると、疲れがたまってしまい、しかもなかなか疲労感が抜けないこともあります。疲れをためたままにしておくと、心や体の病気を招く原因にもなり、仕事や毎日の生活に支障をきたしてしまします。とは言え、毎日仕事や家事に追われているとリフレッシュする時間は取りづらいものです。
疲れを取るためにはどのような食事をすればいいのでしょうか。
また、正しい食習慣を身に付けるためにはどうすればいいのでしょうか。
疲れを感じたら食事を見直しましょう
不規則な食生活により、炭水化物(糖質)をとることが多くなり、ビタミンやミネラルが不足がちな偏った食生活になります。そうして、栄養のバランスが乱れるとエネルギーの代謝が滞り、疲れがたまりやすくなるのです。その結果、糖質がうまく代謝されず乳酸がたまって体がだるくなります。
また、ダイエットのために糖質制限を行うことによりタンパク質中心の食生活となることもあるでしょう。ブドウ糖が不足し脳へ栄養が回らなくなり、頭がすっきりしない状態が続き、精神疲労も蓄積されます。栄養素は単独に摂取しても効果なしであり、互いに関係し助け合っており、どの栄養素が欠けても体によくありません。栄養のバランスを考えて食事を取ることが重要です。
疲労回復を助けるクエン酸
運動することによって疲労した時は、酸味が欲しくなります。クエン酸は体内のエネルギー代謝において重要な役割を果たすことが知られています。クエン酸の効果で最も知られているのが疲労回復効果です。クエン酸には筋肉にたまった乳酸の濃度を低くする作用があります。運動をして疲れている時に疲労物質である乳酸成分を分解し、新陳代謝を促進してくれるのです。
では、なぜクエン酸が疲労回復に役立つのでしょうか。クエン酸には酸化ストレスに打ち勝つ抗酸化作用が含まれています。抗酸化作用によって細胞の元気が保たれ、老廃物を排出する動きも代謝もよくなります。血液の酸性化を抑え、血流改善にも役立ちます。
例えば、お風呂の200リットルのお湯の中に大さじ1杯のクエン酸を入れると疲労回復効果と美肌効果が期待できます。体も温まり、湯船につかれば体も心もリラックスするでしょう。
※ただし、乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の方は肌に異常が出ることがあります。クエン酸の量を抑え、肌に異常が出た場合はシャワーで体についたクエン酸を洗い流し、医師にご相談ください。
また、クエン酸は熱中症にも効果があります。熱中症とは高温度の中で体内の水分や塩分のバランスが乱れて体内の調整機能がおかしくなる現象です。めまいや立ちくらみ、頭痛、嘔吐などの症状が現れます。熱中症による脱水症状を防ぐためには水分と合わせてナトリウムなどのミネラルをとることが大切です。クエン酸はミネラルの吸収をサポートし、熱中症対策にも効果的があります。
クエン酸を多く含む食べ物
クエン酸は、レモンやグレープフルーツといった柑橘類や、キウイやイチゴ、梅干しなどに含まれています。レモンを食べたときなどに酸味を感じますが、これの酸っぱいものがクエン酸なのです。
この酸っぱさが疲労回復や夏バテ予防に効果的とされています。さらに、体内でこの酸味成分が糖を分解してエネルギーに変換するのです。
また、クエン酸は人体に必要な成分としては取り込みやすいものです。食べ物から摂る場合は、目安としてクエン酸はおおむね大きめのレモン1個につき約4g、梅干しなら1個につき約1gあると言われています。レモンなら約0.5個が目安で、梅干しなら約5個が目安です。
クエン酸と相性の良い食物としてゴボウやレンコンといった根菜類があります。水1リットルにクエン酸の小さじ1杯分(約3g程度)を溶かした水分に浸してつけておくと根菜類の黒ずみを防止して、見た目も食べやすくなるでしょう。
キャベツなど独特の臭いが気になることもありますが、クエン酸を少しお湯に加えてゆでると臭わなくなります。また、大根おろしに少量のクエン酸を加えると食べやすくなります。さらに、お酒にほんの少しクエン酸をたらすと酸味が効いてますます美味しいものとなるでしょう。
クエン酸は食べ物から摂取する他にもサプリメントから摂取する方法もあります。サプリはさらさらした白色の結晶性の粉末状で市販されていることが多く、誰でも飲みやすくなっています。
疲労回復は小さなうちから
ドッと疲れる前から、少しずつ疲労を取っていく習慣が大切です。
栄養バランスの良い食事をとるためには「定食スタイル」の食事がおすすめです。5大栄養素をバランスよくとるためにごはんなどの主食で炭水化物をとります。そして、肉や魚や卵などのおかずでタンパク質や脂質を摂り、野菜やきのこや海藻などの汁物でビタミンやミネラルを摂るのです。
食生活が乱れたり疲れを感じたりする場合は普段の食事を振り返ってみましょう。丼ぶりや麺類だけで、副菜や汁物などが足りない場合は追加しましょう。定食の形のメニューを中心にして、バランスのよい食事を継続することが大切です。
食生活が不規則になるとビタミンやミネラルが足りないことが多く、逆に炭水化物やタンパク質は過多になります。おやつにナッツや昆布を食べものいいでしょう。アスリートが良くやっているようにお水にレモンを丸ごと搾って飲むなどの工夫してみるのもいいですね。
ニンジンとリンゴなど好きな果物や野菜をジュースにすれば簡単に自宅でビタミン摂取ができます。
無塩のトマトジュースに豆乳を足し、お酢を少し加えて飲むのも効果的です。トマトはビタミン、ミネラル、疲れをとるクエン酸や抗酸化作用のあるリコピンがたくさん含まれています。豆乳のイソフラボンを温めてオリーブオイルを加えればおいしいスープができます。
疲れている時は内臓も同様に疲れているので食欲が低下します。消化・吸収のよい食事をしっかり噛んでゆっくり食べることが大切です。そして、就寝前の約3時間は食事をしないようにしましょう。寝る直前に食事した場合は翌朝に胃がもたれることがよくあります。毎日バランスの取れた正しい食習慣をコツコツ継続させるようにしましょう。
先ほどご紹介したクエン酸は、疲れる前に摂る方が効果があります。たとえば、疲労回復のためには運動した後よりも、運動前に摂る方が効果的です。
運動に必要なエネルギーの生成は体内のクエン酸によって促進されます。疲労物質がスムーズに分解されるため、疲れを残すことのなく良質な運動習慣が形成されます。クエン酸を前もって補給しておくことによって効率的にエネルギーが生み出されるのです。
クエン酸は水にクエン酸を混ぜて飲むだけで簡単に摂取できます。水250mlにクエン酸をおよそ2.5g混ぜればOKです。目安の摂取量は1日2g程度。疲れている日でも5gが目安です。なお、過剰摂取は禁物です。吸収しきれない分は排出されてしまうため効率的でなく、胃腸や内臓を傷める恐れがあります。“1日1つまみ”を意識すると良いでしょう。
それでもなかなか疲れが取れない方はご相談を
最近疲れがなかなか抜けないと思ったら食習慣を見直し、毎日少しずつクエン酸を摂取しましょう。いつ飲むかというタイミングも考えましょう。そして、生活のリズムを整えて、疲労が蓄積されないように毎日コツコツと努力を積み重ねていくことが大切です。
また、努力が継続できるために簡単にクエン酸が摂取できる方法を考えてみたり、サプリを取り入れたりするなどの工夫を行うことも必要でしょう。
それでもなかなか疲れが取れない場合は病気の可能性があります。そういった場合にはなるべく早めに医師や整骨院の相談を受けるようにしましょう。